将とイゴのさんぽみち

自閉症の将と弟のイゴ、家族のこと

自閉症ってなんだろう?

将が自閉症ということを周りの方にお伝えすると、

「そうなんですか?」「そうは見えない」と言われることが多いです。


将は外では周りの世界をじっと観察し、

自分のいる世界を表現しません。


話さないことも多いため、

「口数の少ない静かな子」という印象を与えるからだと思います。

(もちろん、時々ひどく騒ぎますが

必ずわたしのいる時です)


一方家では(平日)

存在しているのは将のとわたしの2つの世界だけ。

家では2つの世界しかないため同等となります。


(🔼もちろんイゴの世界もあるのですが、

今 対等に存在しているのは

2つの世界という感じで

イゴはまだマスコット的存在です😅)



だからこそ 自分の世界の存在を知らせるかのように

騒いだりぐずったり泣いたりと 手のつけられない状態になるのです。


(もちろん、どんな人でも家と外の顔があることでしょう。)



そして、実は「そうは見えない」ことこそが

わたしを孤独にさせました。


昨年の秋、自閉症だと診断されるまで、

周りからは「育児ノイローゼ」のように思われていたふしがあるのです。


専門医へ行くことを知らせても、

主人はわたしが納得するならという気持ちだったようですし、


早い段階から相談していた市の職員さんには

「お母さんは お子さんに診断名つける気なんですかっ?!」

と激しく責められました。


わたしは診断名が欲しかったのではなく、

将のことが知りたかった。


将のことを相談しても、

誰もが(まだ自閉症と診断されていなかったため)

「子どもはそんなものだ」

と答えたのです。


しかし、将をベビーカーから降ろして散歩をさせようとする時、

そのまま地べたに寝そべってタイヤの観察が始まり、

いつまでたっても終わらない…


呼びかけても振り返りもせず、

ただタイヤを回しているのです。


決してわたしは「母親」ではなかった。

児童センターへ行っても

よそのお子さんとお母さんのようではなかった。


わたしはただの傍観者でした。


この孤独感は 自閉症のお子さんを持つお母さんなら(いろいろな症状のお子さんがいらっしゃるので、みんな同じではないかもしれませんが)


味わったことのある、本当に恐ろしい感覚だと思います。


意思疎通ができるようになった今でも

時々それを感じます。


そしてわたしが孤独である時、

将もただ、孤独なのです。