将とイゴのさんぽみち

自閉症の将と弟のイゴ、家族のこと

情熱

NHKの「香川照之の昆虫すごいぜ!」



すごいですね、カマキリ先生!

(昆虫もすごいですがカマキリ先生の情熱がすごいですよね…)



お出かけ前の家事の時間、

たいていEテレをつけていますが、


将もイゴも9時を過ぎると

あまり興味を示さず、BGMみたいにテレビがついています。


カマキリ先生の番組自体

何度か家事の合間に見てはいましたが、

月曜日の朝は旅行の疲れもあって

一旦家事を中断して見たのでした。


ザリガニを釣ったり

モンシロチョウを捕まえたり

田んぼの水路から流れでてしまった

おたまじゃくしをすくって田んぼに投げ戻したり


そういった経験はわたしもしましたが、

ファーブルの昆虫愛を不思議に、羨ましく思う子どもでした。



昆虫図鑑を編集する方も

生き物番組を作る方も


きっとカマキリ先生と同じ情熱を持った上で制作されていることと思います。


でも、情熱を持って制作はするけれど、

あそこまで全面に情熱を押し出す番組ってあるんでしょうか。


ちなみに将は、

「カマキリ先生 あとから みどりの服着る。」

(すでに緑色のカーディガンを着ていたので カマキリの被り物のことかと思います)


「カマキリ先生 暑くなったらみどりの服 脱ぐ。」

と 独自の視点で番組を分析。


わたしはカブトムシに興味はなかったのですが、

あまりの勢いに圧倒されて最後まで見てしまいました。


すごい番組です。



そして思い出したのは大学生の頃のこと。


姉妹のにこちゃんもわたしも大学生だった頃、にこちゃんの大学の講義に潜りに行ったことがありました。


わたしは他大学 (にこちゃんとは違う大学に進みました) の雰囲気に溶け込めず、

講義の内容が頭に入ってきませんでした。


スクリーンを使った授業の為、

ずっと教室は暗いまま。

寝てもいいと言われているような暗さです。


実際、前列の3名がしっかり授業を聞いている以外、ほとんどみんなが寝ているのです…!

(大学によってはよくある光景かもしれませんが

自分の大学では見たことがなかった)


しかも数列先に座っている男子学生のTシャツに、

「ご飯ができたら起こして下さい」

とプリントしてあるのが非常に気になる。


あんなシャツを着て寝られたら、

「ご飯ですよ!」と起こしたくなるに決まっている。


あれはギャグなのか?寝るためにわざわざ 今朝選んで着てきたのか??


…しかも教授の話が確かに日本語なのに、何も頭に残らない。


この授業、本当に難しい…(置かれている状況も…)



終わってからにこちゃんに、

「今の授業理解できた?」

と聞くと、一言

「全く分からへん」。


「でも、先生が猿を好きなのだけは分かる。わたしはその情熱に触れるのが好きやねん。

その為に講義とってるねん。」


霊長類の研究で有名な教授なんだそうです。


わたしは情熱に触れる為に講義を受講しているにこちゃんにも

情熱を子守唄に しっかりと睡眠をとる学生たちにも

睡眠時間を与える 権威ある教授にも

かなりの衝撃を受けたのでした。



内容が入ってこなくても、

誰かの何かに対する情熱さえ受け取れれば


それはとても素晴らしいことなのだ…!


(注: わたしはカルチャーショックで

その講義では 先生の情熱を感じることができていなかったが、

今なら分かる…! カマキリ先生の情熱が分かる…!

カマキリ先生の熱を感じて見るから

興味のなかった昆虫たちが面白い!)



将とイゴにもカマキリ先生の情熱、届いたらと思ったのですが、

まあ小さいしまだ早かったかな。


わたしのすさまじい感動をよそに、

2人して転がっているおもちゃをさらにころがして


ただ、お出かけの時間がくるのを待っている。



そんな様子でした。